教職実践専攻(教職大学院)Program for Professional Development of Teachers

教育実践専攻(教職大学院)

教員に求められる高度な専門性を修得するための場、それが、教育学研究科教職実践専攻[教職大学院]です。そこには、教員に求められる4つの力を養成するカリキュラムが用意されています。

学校教育が直面する課題とは?

全国的には…

  • 学習意欲や自己肯定感の低さ
  • 特別な教育的ニーズ、社会経済的困難を抱える子どもの増加
  • 学力の格差、人間関係形成力や健康面の不安への対応

青森県では…

  • 豊かな自然を活かした環境教育
  • 短命県返上を念頭においた健康教育
  • インクルーシブ教育システムの構築と推進

いま、教員に求められる4つの力

いま、教員には、自らの到達点と課題を明らかにし、その課題の解決に取り組み、職能成長を遂げていくための自律的発展力が求められます。
また、学校・社会状況が直面している教育的課題に対して、真の課題を明らかにし解決を試みる課題探究力が重要であり、その際、理論的支えを持った根拠に基づき実践を行い、そこでの子どもの実態を踏まえて成果と課題を明らかにしていく省察力が求められます。
また、課題探究や省察を多面的なものとするために、それらを教員集団として行っていく協働力が必要です。

協働力

あらゆる教育実践場面において、子どもを含めた関係する他者との柔軟で創造的な関係性の構築と協働する力

省察力

実践や自己の学習過程において、何をどのように捉え、思考し、判断し、実践し、評価したかについて、状況や理論、事実をもとに振り返る力

自律的発展力

自らの到達点と新たな課題を明らかにし、その課題解決を目指してさらに職能成長を遂げていく力

課題探究力

課題を発見し、多元的に分析を行い明確にしたうえで、課題解決に向けた実践をデザインし、取り組んでいく力

いま、教員に求められる4つの力

教員に求められる高度な専門性を修得するための場、
それが、教育学研究科教職実践専攻[教職大学院]です。
そこには、教員に求められる4つの力を養成するカリキュラムが用意されています。


教職実践専攻(教職大学院)のコース

ミドルリーダー養成コース

ミドルリーダー養成コース

校内研修、地域連携、教材開発などの課題に、中心となって他者と共に創造的に取り組むことができるミドルリーダー

学校教育実践コース・教科領域実践コース・特別支援教育実践コース

学校教育実践コース
教科領域実践コース
特別支援教育実践コース

教育課題に対応するための理論と事実に基づいた確かな実践力・省察力を備えた若手教員

学部卒院生の進路状況

1期生(2017年4月入学 → 2019年3月修了 10名)
  • 新採用として 5名
  • 講師採用として 4名
  • 一般企業就職 1名
2期生(2018年4月入学 → 2020年3月修了 5名)
  • 新採用として 5名
3期生(2019年4月入学 → 2021年3月修了 11名)
  • 新採用として10名
  • 公務員として1名
4期生(2020年4月入学→2022年3月修了 4名)
  • 新採用として4名
5期生(2021年4月入学→2023年3月修了 12名)
  • 新採用として 11名
  • 講師採用として 1名

修了院生からのメッセージ

2020年度修了 古川 弘基

弘前大学 教育実践開発コース 院生メッセージ

 私は、本学部の国語科から進学しました。教職大学院への進学を考えたきっかけは2つあります。1つは教員採用試験で結果が実らなかったことと、もう1つは、4年次の実習等で実感した授業研究の奥深さと自身の指導力の圧倒的な至らなさです。教壇に立つ自信も、現場に出てもまれようという踏ん切りもつかなかった私は、自分と向き合う中で足りないものを探る時間が必要だと感じ、大学院で学び続ける決意をしました。両親には「結果は出す。あと2年学ばせてほしい。」と頭を下げて、進学することを認めてもらいました。

 大学院での学びは、「理論と実践の往還・融合」を大切にしていて、学んだ翌日に現場に生かせるようなエッセンスが詰まっています。学部の実習との大きな違いは、研究の視点をもって子供たちにかかわっていることだと思います。そうした中で「気付く」ことがたくさんあり、様々なことが「よく視える」ようになりました。大学院の講義で学んだ理論的な視点は、実習に行った時には度の合ったメガネのように様々なものが見えるようになり、省察をより深いものにしてくれました。

 また、実践研究においては、学部生の時にお世話になった先生が相談に乗ってくださり、つながりのありがたさをとても感じています。大学院生全員を、教員全体で見ていくという温かい雰囲気も大きな魅力だと思います。

 今では現場に立ちたいという思いがあふれています。ここでの学びを、これから出会う子供たちのために、役立てていこうと思います。

2021年度修了 鳥山 純大

弘前大学 教育実践開発コース 院生メッセージ

 私は、東京学芸大学の初等国語科から進学しました。学部4年生だった当時、私は地元青森県で教員になることが決まっていましたが、それと同時に自身の力不足を感じていました。「今の自分が、教壇に立ってよいものだろうか。」という漠然とした不安を抱えていた、ちょうどその時、知人からここ弘前大学教職大学院を薦められました。

 はじめ入学した頃には、正直なことを言えば、「2年間の間に何かしらの力をつけられたらいいな」といった軽い気持ちをもっていました。ですが2年間の学びを修了した今では、ここでの学びが今の私を形作っている、と表現しても過言ではない程、私によき学びと成長を与えてくれました。そうした点について1つ紹介します。

 ここで私が紹介したいことは、大学院で学んだ理論と現場での実践が結びついていった、という点についてです。これは本大学院では「理論と実践の往還」という言葉で表されるものになります。大学院では、教育学や教育実践について様々な授業を通して学ぶことができ、また学部の頃よりも充実した教育実習を体験することができます。入学当初の私は、理論は理論、実習は実習といった考え方で日々邁進していました。そんなある日、教育実習の最中に子どもの様子をよく見ていると、大学院で学んだ知識や概念がつながっていく感覚を覚えました。その感覚を確かめるため、本を再度読み込んだり、先生方や同じ院生たちと協議を重ねたりすると、「あの授業の中で、あの子がしていた反応は、こう捉えられるのか。」といった気づきを得ることができました。つまり、理論が実践に結びつき、実践が理論に結びつくという思考のサイクルが生まれていたのです。こうした考え方は、現場に出てからも大いに役立つ物であると考えています。

 本大学院は、「実践力を高めたい方」「学部の研究をさらに実践に結びつけたい方」「今の自分をより成長させたい方」など、多くの方に門戸が開かれていると思います。漠然とした思いで進学を決めた私も、ここでは書ききれないほどたくさんの学びを得て現場に出ることができました。この大学院の修了生であれば、胸をはって教壇に立つことができる、と今では断言できます。先生方も温かく、親身になってくださる方ばかりです。ぜひ一度教職大学院での学びを考えてみてください。


教育実践専攻(教職大学院)の特徴

目的と特色
カリキュラム体系
弘前大学 教育学部 附属施設 弘前大学 教育学部 教育力向上プロジェクト